業者は会社と人を見て選ぶ
一見どこも同じように見える引越業者は、実は何個かの業務形態(種類)に分けることができます。
- 引越し専門
- 運送業との兼業
- 元請けと下請け
(1)引越し専門
私がお勧めする業務形態は専門業者です。
代表的なのは、
- サカイ引越センター
- アリさんマークの引越社
- アート引越センター
です。
やはり専門としている会社だけあって、荷物を運ぶ際のノウハウや技術が他とはレベルが違ってきます。
まず、皆さん驚かれるのは、荷物を運ぶ手際の良さ。
パソコンなどの精密機械は毛布にくるんで丁寧に梱包し、ベッドや食器棚、タンスなどの大きい家具を、手早くトラックに積み下ろしする技術を持っています。
また、家やマンションに傷がつかないようにする「養生」のアイテムも豊富ですし、その他の引っ越しに関する独自の技術を持っている場合が多いです。
通常引越しスタッフは2人以上でやってきますが、リーダーの一人が挨拶している間に、他のスタッフはせっせと養生を進めています。
こういう姿を見ると、業者としては非常に頼もしく感じます。
また、例えば、窓からしか荷物を搬入できない場合には、クレーンを使ってくれます。
「もし、技術のない引っ越し業者にお願いしてしまったら。」と、考えただけでも、何だかゾッとしてきますね。
引越し専門会社はオプションも豊富です。
何だか使いそうにないものも混じっていますが、いろいろな引っ越しケースに対応できる専門業者は安心感があります。
大手が中小零細の業者を選ぶか?
引越しの専門業者の中には、
- 大手
- 中小
- 零細
の業者が入り混じって存在しています。
引越し一括見積もりサイトを利用すると、大手からも小さな業者からも連絡がきます。
基本的には、アリさん・サカイなどの大手の方が素早く電話連絡がきます。
そして中小・零細業者は、大手の連絡が一段落ついたところを狙って、やや遅めに連絡が来ることが多いです。
引越しスタッフの仕事の質というのは、水物に近くて、同じ会社でも人が違えば、満足度にかなり差が出ることが多いです。
なので、基本的には大手の方が仕事の質が高い傾向にありますが、訪問見積もりをしてみて、一番信頼できそうな業者を選ぶ方法をオススメします!
(2)運送業との兼業
運送系は、主に宅配便の配達をメインの事業としており、引越しは兼業として行っている業者が多いです。
なので、基本的には自社スタッフのみで引越し業をまかなうことができず、アルバイトの人員が多くなることがあります。
3人のメンバーがいたら、リーダーが社員、もしくはアルバイトリーダーで、他の2人は、その日に初めて引っ越しのアルバイトを経験する。
というようなケースも珍しくありません。
かといって、運送業との兼業を行っている業者が、まったくダメというわけではなく、専門業者との比較という意味です。
学生時代にN社でアルバイトしました
実は私、大学生の時にN社で引越しの日雇いアルバイトをしたことがあるんです。
日給は1万円くらいだったと思います。
まず、朝早く、指定された駅に向かいます。
すると、送迎の車がやってくるので、それに乗ってN社の支店に向かいました。
降りると作業用の備品を受け取って、とある場所に皆で待つように言われました。
すると、N社の引越しスタッフの方たちがやってきて、私たちを品定めするような感じで、一人一人自分のチームに誘っていきます。
当然、ガタイが良くて力がありそうな人から選ばれていきます。
私もとあるリーダーの方のチームに入りました。
チーム編成は、
- そのリーダー
- 私
- もう一人の同じ場所にいたアルバイト
の3人組です。
つまり、先ほども書いたように引越し経験者は、たった一人だけだったのです。
専門業者にはこれまで何度か依頼してきましたが、経験者が一人だけということはありませんでした。
兼業の業者ですと、人手不足からかそのようなケースが多々あるというデメリットがあります。
(3)元請けと下請け
有名な引越し業者をお願いしたと思っていたのに、当日、来たのは評判の悪いところだった。
下請けを利用している場合は、上記のような悪いパターンも起こりえます。
もちろん、悪い下請けさんが来るとは限りませんが、最終的に業者を選ぶ決定権を自分が持っていないのは、とても不安になるものです。
有名な引っ越し会社が元請けで、中小零細の引越し業者である下請けに仕事を流すことがよくあるのです。
以上、業者の3つの業務形態を見てきました。
次は、「人」に焦点を当ててみたいと思います。
研修を受けた正社員か?今日が初めてのアルバイトか?
アルバイト情報誌には、必ず「日給8,000円!引越しの短期アルバイトの募集」という広告が載っていると思います。
それほど、業界では短期アルバイトが定着していますが、アルバイトを一切使わずに、研修を受けた正社員だけの引越し会社も存在します。
それは、やはり「引越しを専門に行っている会社」なんですね。
私も利用者として、正社員のみの専門業者にお願いしたことがありますが、
- 挨拶も丁寧
- 説明はきちんと行ってくれる
- 荷物を運ぶ手際は良い
ということで、安心して引越しをすることができました。
その会社は、見積もりに来てくれた営業マンの方からして、他社とは違うことがよくわかるほどに社員教育をしっかりされている業者さんでした。
よくよく観察していると、そこは、私たち利用者の後日アンケートの結果が、社員の給与査定に大きく関わってくるそうなんです。
ということは、私たちのクレームはその方にとって死活問題になりかねません。
だからこそ、信頼できる仕事を行ってくれるわけでもあります。
あなたは、引越し作業の研修を受けた正社員の方と、今日が初めての作業をするアルバイトの方と、どちらにお任せしたいですか?
正社員のみで運営している具体的な企業名などはこちらの体験記で紹介しています。